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ダイアローグエグゼクティブコーチ 鮎川詢裕子対談 ダイアローグ

エグゼクティブコーチ 鮎川詢裕子 対談 ゲスト アンネ・ワグナーさんエグゼクティブコーチ 鮎川詢裕子 対談 ゲスト アンネ・ワグナーさん

これまで多様な文化に接してこられているアンネ・ワグナーさんと、インターカルチャーに対する考えや、内面を外に表現することについてお話をさせていただきました。

インターカルチャーとはお互いを知ること

鮎 川
幼い頃から世界中を旅してこられたワグナーさんはインターカルチャーについて、どのようなお考えをお持ちですか?
ワグナー

ワグナーさん

今年2010年に仕事でドイツに戻ることになりました。これまでの日本滞在中の経験をどのように持ち帰ろうかと考えた時に、インターカルチャーについて調べてまとめておきたいと思うようになりました。将来的には本を出したいと考えています。インターカルチャーを文化の違いだけに焦点を当て評価するのではなく、その背景にも触れ、私以外の方からも話を伺ったものをまとめ「読む方ご自身で判断できる」内容にしたいと考えています。そして、どういった共通点があるのかということにも触れていけたらと思っています。

鮎 川
個人の見解を事実のように伝えるのではなく、参考意見としてお伝えし「読む方ご自身で判断できる」というのが興味深いです。そして違いにだけ焦点を当てるだけでなく、どこが一緒なのかという視点を提供し、お互いを知り、どのように見ていくのかを問いかけていこうとなさっているのですね。 情報をお渡しして「どのように受け止めるのかは本人である」というのは、互いを尊重しながら信頼関係を築きあげていくコミュニケーションの考え方とよく似ています。
ワグナー
インターカルチャーを考えてみると、もともと同じだったものが、地域の特性や気候によって、そこで生活するのに相応しいように変化しているだけなのかもしれないと考えられるのではないかと思っています。

ロール(役割)とパーソン(個人)を分ける

鮎 川
インターカルチャーに関連して、ワグナーさんが興味を持っていらっしゃることは何ですか?
ワグナー
インターナショナルな企業の会議を考えてみると、例えばドイツ人同士の場合、営業、財務、開発部門等のそれぞれの立場に立って意見を交わします。時には激論になることもあります。それでも、ランチタイムになればどんなに激論を交わしていたとしてもそのロールから出て、一緒に出かけていくのが普通です。ロールとパーソンをしっかり分けているのです。しかしながら、日本ではこのことが難しいケースがあるように感じています。外国人からすると、「なぜロールが取れないのか?」と捉えます。役割として相手をアタックした時に、日本人は自分というパーソンが責められていると考えてしまうのではないかと考えていますがいかがですか?
鮎 川

鮎川詢裕子

確かにロールとパーソンを分けるという概念はあまり意識されていないと思います。激論になったり、何か仕事でミスをした時に「自分という人間が悪い」と自分を責めすぎてしまうことも多いと思います。個人の領域に役割や環境、業務として行っている行動を同一化して自己概念を持ちやすいのかもしれません。どのような自己概念を持つかによって、発揮するものに違いが出てくるので、どのようにパーソンとしての自分を認識するかはとても重要です。ロール(役割)とパーソン(自分)を分けて考えられることを知っておくとセルフマネジメントがしやすくなると思います。 また、一般的に個人一人ひとりに焦点を当てるというよりも、「周囲」や「全体」に合わせることに意識が向いていることが多いような気がします。このため、周囲はどう思っているのだろうと外の基準に合わせる人も少なくありません。このことは自発的か受け身かということにもかかわってきます。子供の頃から「あなたはどうなりたいのか?」「あなたはどうしたいのか?」といったことを聞かれる機会も少ないので、自分というパーソン(個人)が「何を求めているのか?」「自分の目標やビジョンは何なのか?」といったことが分かりづらいこともあります。

ワグナー
一方で日本はこれまで経済的にも、長寿国としても成果を出しています。ロールとパーソンを分けにくいことが役に立っているのではないかと考えています。
鮎 川
かつての村という制度を考えても「みなで協力し合って生きていく」という概念があると思います。そして先ほどワグナーさんがおっしゃったとおり、地形や生活様式も影響しているでしょう。
ワグナー
災害が多いという要因があるかもしれません。
鮎 川
また、主語がなくても言語が成り立つ文化ということも影響しているように思います。「誰が」そう考えるのか、思うのかといった認識を持ちづらい面があるのでしょう。逆にいえば、場を共有しているような感覚を持ちやすい。経済成長の過程において、個人とロールの区別をあまり意識しないことで終身雇用や年功序列をはじめとする制度がうまく廻り、総合力を発揮してこられたのかもしれません。
ワグナー
日本は外国と違って、基本的に髪の色も眼の色、肌の色が同じですね。
鮎 川

鮎川詢裕子

そういった視点で他の国と比べて自分という個を意識しづらいと考えるのは面白いですね。社会構造が変化してグローバリゼーションが進む今日では、生き方が多様化し、パーソン(個人)としての考え方を自分で持って生きていくことがより求められるようになってきているように思います。コーチングにおいてもパーソン(個人)が何をどのように生きていくのか?ということに焦点を当てています。そしてそのパーソンがどのようなロールを取って表現していくのか?にかかわっています。 同時に、個と全体の両方の視点で捉えていくことが大切だと思います。

ワグナー
本で読んだのですが、昔の仏教の試験でも日本に伝わる過程で、ディベートがなくなっているそうです。全てを言葉にしない文化というところにもつながって来るのかもしれませんね。
鮎 川
俳句や武道といったものも多くを語らず、短い言葉や形にして表現していますね。

内面と外見の不一致はフェイク

鮎 川
日本でのイメージコンサルティングについてどのようなお考えをお持ちですか?
ワグナー
仕事で来日した頃は、あまりイメージに対する感覚がなかったように思います。しかしながら、イメージで伝わることが沢山あります。内面のメッセージが外見で伝わり、内面が外見をつくる部分もあれば、外見が内面をつくる部分もあります。内面と外見が一致していないフェイクの状態を変えていきたいと思い活動してきました。
鮎 川
内と外が一致することはとても大切ですね。本当に大切なことは言葉以外のもので伝わります。雰囲気や、姿勢、生き方、あり方によって伝わるものは大きいです。また、コミュニケーションの結果は受け手の反応で決まるので、その人がどんなに素晴らしくても相手に伝わり方が変化する外見のイメージの要素は相当なものだと思います。
ワグナー

ワグナーさん

その通りです。フェイクとは自分と外見とが離れていることです。外見を作りすぎても、何もしなさ過ぎてもフェイクになります。そして、内面に存在していても外に表現していない状態を引っ張っていくのもイメージコンサルティングのタスクのひとつです。 人が変わりたいと行動に出た時、すでにそのことは始まっています。既に内面にあるイメージや想いが始まっているのです。内面と外見が一致し、また外見のランクを上げていくだけではなくて自分の内面のランクも上げていくことが可能になります。 本来持っている自分に内面も外見も育てていくことが大切だと考えています。

鮎 川
おっしゃる通り、すでに内在しているイメージや想いに気がつく時、そして変化したいという気持ちがある時、変化のプロセスは始まっていますね。そして、これをどのように具体的に外に行動し表現していくかということはとても大切です。

目指す道

鮎 川
ワグナーさんはこれまで多様な文化に触れられ、多くのご経験をされてきましたが、今後どのように生きていきたいとお考えですか?
ワグナー
自分なりの「道」を持ちたいと考えています。日本でいう「○○道」というもののような「道」です。そして、有名である必要はありませんが、存在感のある人として人にスピリットを渡すような人間になりたいです。そのために多くの経験をしてインプットをし、自分を伸ばしていきたいと思っています。それは、死ぬ時に後悔せず、やりたいことをやっているような生き方です。インターカルチャーコミュニケーションを実践し、本を書くこともその中のひとつです。

鮎川詢裕子×アンネ・ワグナーさん

ダイアローグを終えて

アンネ・ワグナーさんはニュートラルに、全体感を持ちながらひとつのことを多面的に見ていらっしゃるように思います。私自身ワグナーさんから学ぶことは多く、今回インターカルチャーやイメージについて初めて伺ったお話から、共通した認識を発見すると共に新たな視点をいただきました。どうもありがとうございました。

アンネ・ワグナー さん

アンネ・ワグナーさん

15歳まで両親とともに世界中を旅して回り、訪れた国の数は30カ国以上に及ぶ。 仕事や海外生活を通して培った国際感覚に基づく異文化コミュニケーションに関するセミナーを実施。外資系企業の管理職役員としてリーダーシップ養成プログラムを修め、そのセミナー、コンサルティングは、ビジネス界の現実と専門知識が豊富に織り込まれていると、評価が高い。ドイツ国家認定コーチングプログラム参加。NYにてイメージコンサルティングスキルを学ぶ。

撮影協力 : エヌ・フォトワークス

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